
IVYについて
はじめての方はまずこちらをご覧ください。
IVYのシリア事業では、脆弱な若者に対して、職業訓練コース・インターンシップ・起業支援金を提供するプログラムを実施しています。支援対象者は、コミュニティの中で最も弱い立場にある、障害や貧困に直面した女性・男性です。
職業訓練コースを通じて身に着けた技術と知識、起業に最低限必要な機材の供与、起業支援金の支給により、対象者は自らの工房を立ち上げ、経済的自立と尊厳ある生活へ向けた一歩を踏み出していきます。
前回レポートに続き、今回は3名の受講生の歩みをお届けします。
国内避難民キャンプに暮らす25歳のSさん。 戦争で4年前から夫が行方不明となり、5人の幼いこどもたちの面倒を1人でみています。
何としても収入を得たい、という強いモチベーションが評価され、IVYが実施する縫製の職業訓練コースの受講者に選定されました。
国内避難民であり、こどもの世話も大変な中、Sさんは忍耐強く献身的に研修に参加しました。Sさんは、洋服の仕立ての理論・実践の知識・技術を身に着け、研修を無事修了することができました。
研修終了後、Sさんはプロジェクトから起業支援金と縫製資材を受け取りました。
現在は、国内避難民キャンプ内の自宅を拠点とする縫製工房の立ち上げ準備中です。キャンプ居住者に縫製サービスを提供するため、自宅内の工房のオープン準備に勤しんでいます。
Sさんは、こどもたちを養うために、学んだ技術を活かして安定した収入を得たいと意気込んでいます。縫製の仕事で次第に収入が安定し、家族の生活環境の改善や、尊厳や自立心の回復にもつながることが期待されます。
Sさんは、今後顧客が増えれば、自宅の外に工房を開いてビジネスをしていきたいとの希望を持っています。
避難先から帰還した25歳のKさんは、現在妻と2人のこども、両親と兄と共に暮らしています。
彼自身は運動・言語機能に障害があり、兄には精神疾患があります。
Kさんは、IVYが主催した機器修理研修に参加しました。
運動機能の障害で様々な苦労がありましたが、熱心に研修の課題に取り組み、電子機器の修理・メンテナンスの実践的知識と技術を身に付けることができました。
研修を無事修了したKさんは、プロジェクトから起業支援金と機器修理に必要な工具一式を受け取りました。そして、自宅で小さな工房を開き、まずは近所の方向けに、電子機器などの修理サービスをスタートさせました。
Kさんは、インターンシップ実習のおかげで自分の技術に自信が持てたと言います。今後の目標は、安定した収入を得て、家族の生活環境を改善することです。 自宅で仕事ができるので、移動に不自由があっても問題ではありません。
今後、ご近所さんの間で評判が高まれば、顧客が増え収入もより安定してくるでしょう。 IVYは今後もKさんのフォローアップを続けてまいります。
28歳のAさんは、夫と死別し、4人の子どもをたった1人で養っています。
小学校卒業後は教育を受ける機会がなく、収入がありませんでした。
Aさんは、IVYが主催した縫製研修に積極的に参加しました。その学びの姿勢には、彼女の強い決意とコミットメントがにじみ出ているようでした。
Aさんは、洋服の仕立ての理論と実践の知識・技術を身に着け、研修を無事修了することができました。
研修終了後、Aさんはプロジェクトから起業支援金と必要な資材を受け取り、地域で自分の縫製工房を立ち上げました。簡素な工房ですが、ミシンや作業台など必要な設備は整っています。
縫製工房の立ち上げは、Aさんの経済的自立に向けた大きな一歩となりました。
この地域でAさんの工房の評判が高まってくれば、縫製の注文が定期的に入るようになり、Aさんの家庭の経済状況も良くなることが期待できます。収入を子どもたちの支出に回したり、家庭生活環境の改善にも充てることができるようになります。さらに、彼女が自分自身の縫製技術に自信を持つことにもつながります。
今後、Aさんの顧客が増えて、彼女の収入が安定していくよう、IVYはフォローアップを続けてまいります。
脆弱で貧困な若者が、技術を身に付け収入を得られるようになることで、困窮した状況から一歩、足を踏み出すことができます。自分の技術に自信を持ち、自尊心が高まり、困難な状況に立ち向かう力が生まれます。
IVYは今後も、シリアの紛争の影響を受けた若者たちへの支援を継続してまいります。これからも変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。
本事業は、JPFによる資金、真如苑 様からのご支援と、
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