1990年代
1991
IVYの取り組み
日本・カンボジア
日本国際ボランティアセンター山形(JVC山形)設立
タイのカオイダン難民キャンプにスタディツアーに行った10人が発起人となり、「山形でできることはなにか」と帰国後に設立しました。
社会的背景
カンボジアの内戦が終結
1991年10月パリ和平協定が調印され、1970年から20年以上続いたカンボジアの内戦が終結しました。
1991~93
IVYの取り組み
日本
「いのち・ことば・ぶんか」をキーワードに、外国人支援を開始
3つのキーワードのもと、外国人当事者とその家族、地域を支援する活動を開始しました。
「いのち」:ホットラインの開設、医療通訳派遣や母国語による健康相談
「ことば」:「自転車で通える日本語教室」を合言葉に県内6か所に開設(~2014年)
「ぶんか」:お互いを理解し共生するための多文化理解講座を開催
社会的背景
農村の「嫁不足」を背景に国際結婚で山形に来た外国人女性の孤立
日本語が出来ない、日本の生活や文化についても知らないまま結婚した彼女たちは、何の支援もなく、就労もままならず、家族との関係も構築できず、様々な困難を抱えていました。
IVY’s viewpoint
同じ社会で暮らす仲間である彼女たちの苦悩は、同時に地域の問題でもある。隣人が悩んでいたら誰でも相談に乗るように、私たちができることをやろう。
1993
IVYの取り組み
カンボジア
プノンペン市第4社会福祉センター運営支援開始(~1996年)
給食の改善や教育、職業訓練、センター職員の教育などを通じ、孤児や障害も持つ人々の生活改善や自立を3年にわたり支援しました。
社会的背景
自衛隊が初めてカンボジアへ派遣される
1992年6月国際社会により積極的な役割を果たすとの観点からPKO協力法制定。1992年から93年にかけて自衛隊が初めてカンボジアに海外派遣されました。
IVY’s viewpoint
同じ年に生まれたカンボジアの人たちに出会った。自分が呑気に高校時代をすごしていたころ、彼や彼女は地獄のようなポルポト時代を過ごしていたことを知り自己嫌悪に陥った。何か行動を起こさなくてはと思った。
1995
IVYの取り組み
日本
阪神淡路大震災での被災者支援活動
神戸市長田区にて医療、炊き出し、家の片づけ等、全国からボランティアを公募して活動しました。医療・保健の支援活動に対し厚生大臣から感謝状を授与されました。
社会的背景
阪神淡路大震災発生
IVY’s viewpoint
神戸市長田区に被災者支援のための調査で入ったとき、カンボジアと神戸がつながって見えた。
IVYの取り組み
フィリピン
精神医療支援、のちに出発前情報提供支援を開始(~2001年)
結婚で山形にきたものの、精神疾患の発症等でフィリピンへ帰国せざるを得なかった女性たちへ、精神医療支援を開始。また、そのような状況を少しでも防ぐために出発前の情報提供を行いました。
IVYの取り組み
カンボジア
「コー島再定住地元ホームレス母子家族自立支援事業」を開始 (~2000年)
内戦や貧困で家や夫を失い、路上で生活していた母子100人が、政府により島に移住させられました。生活基盤が何もない状況から、彼女たちが定住し、自立し、新しいコミュニティを作っていけるように、生活環境整備と農業支援を開始しました。
社会的背景
農村部から都市部への人口流入
人の移動が自由化されたことにより、農村部で食べていけなくなった人たちが村から首都に流れ込み、路上で物乞いをしたり、資源ごみを求めてゴミ捨て場に集まるようになりました。
IVY’s viewpoint
山形と言えば「有機農業」。山形の百姓グループやタイの農家の力を借りて、まずは「自分たちの食べるものをつくる」ことから支援しよう。
IVYの取り組み
日本
「アジア家族会議」開催
社会的背景
国際結婚で山形県にきた外国人女性が1,000人を越える
IVY’s viewpoint
「家族とは何か」「違う文化を背負ったもの同士が一緒に暮らす”結婚”とは何か」をアジアという大きな視点から考えよう。
1996
IVYの功績
山形新聞3P賞平和賞受賞
IVYの取り組み
日本
歌と映像による国際理解講座「地球のステージ」を開始(〜2003年)
IVYの取り組み
日本
第1回エスニピック(多文化運動会)を開催(~1998年)
フィリピン人女性からの「話ばっかりしてたってダメよ」の一言がきっかけで、国や言葉、年齢も越えて、気軽に参加できる多文化理解イベントをやってみようと開催しました。
1997
IVYの功績
国際交流基金地域交流振興賞受賞
IVYの取り組み
日本
「国際結婚定住者支援講座」の開催(~2000年)
地域で外国人が住みやすい多文化理解の土壌を育成するために、そのキーパーソンとなる市町村の「公民館の担当者」を対象に、山形県教育委員会との共催で開催しました。地域ですぐに行動に結びつけられるような実践的内容を盛り込みました。
社会的背景
外国にルーツのある子どもたち(国際児)が地域や学校現場で増加
IVY’s viewpoint
「外国にルーツがある子どもの教育と権利」に注目しよう。親の事情で日本に来た子どもたちが日本語を身に付け、学校でその年齢に合った教育を受けられるよう応援しよう。
1998
IVYの取り組み
日本
外国人生活相談窓口開設
これまで医療相談の電話窓口を開設していましたが、相談内容は医療というより生活に関わることが大半でした。生活相談窓口がない自治体もあったため、IVYで開設することにしました。
1999
IVYの動き
国際ボランティアセンター山形(IVY)に名称変更
IVYの動き
1999年6月8日、法人の認証を山形県より取得
IVYの取り組み
日本
外国人支援のための法律勉強会(現通訳スキルアップ講座)を開始
通訳者のスキル向上を目指して、医療と法律等について学ぶ講座を始めました。
IVYの取り組み
カンボジア
スバイリエン州農村女性組合支援活動を開始(~2016年)
「カンボジア農村のお母さんたちが主役!」を合言葉に、村の女性たちにワークショップなどを通じて相互扶助組合の設立を促し、設立後は組合運営や女性たちで決めた貧困撲滅のための様々なプログラムが実施できるように支援を開始しました。
社会的背景
ホームレスの多発地域であったスバイリエン州
カンボジアの中でも最貧困地帯であったスバイリエン州は、男性の出稼ぎ率が高く、普段の村や家庭を守っているのは半数以上が女性という状況でした。
IVY’s viewpoint
男性中心の村社会の中で、同じ村に住む女性たちが協力し、共通の問題解決に取り組むことは、家庭や地域の中での女性の地位向上、ひいては地域の自立、活性化にとって重要だ。