
IVYについて
はじめての方はまずこちらをご覧ください。
IVYは、2025年3月から、イラク北部クルド自治区のスレイマニヤ県において、「日本式教育や特別活動教室を活用したイラクの教育環境改善事業」を実施しています。
本事業では、近年海外での評価が高まっている「日本式教育」を、スレイマニヤ県の小学校5校の授業や課外活動で活用できるよう、教員研修とモニタリングを通して実践をサポートするものです。教員が日本式教育の手法を用いて児童に楽しく伝えることで、児童自らが主体的に学び始める狙いがあります。
また日本式教育に適した「特別活動教室」を2校に整備することとしています。
特別活動教室の整備が進んでいます
研修ではロールプレイも行いました
9月中旬、事業対象校である5つの小学校に所属する114人の教職員が、「日本式教育」研修に参加しました。
★IVYがクルド自治区ではじめて実施した「日本式教育」の研修については、別の記事に詳しく書かれていますので、ぜひご覧ください。
研修コースは5つのグループに分かれて実施し、今回は3つのグループがそれぞれ3日間の研修を受講。10月には、残り2つのグループへの研修を実施する予定です。
研修内容は、教員らが所属校の教室で実際に日本の教育手法を導入できるようにするための、実践的なもの。研修の終わりにはアクションプランを作成し、各教員はアクションプランに従って、自分たちの教室で、研修の学びを実践していくことになります。
熱心に参加する教員ら
日本で教育を受けた方には馴染み深い「道徳」ですが、イラク・クルド自治区ではそのような科目は存在しません。IVYが支援する「日本式教育」の実践では、道徳の授業の実施を推奨しています。
☆日本の文部科学省による「道徳教育」の定義:
道徳教育は,児童生徒が人間としての在り方を自覚し,人生をよりよく生きるために,その基盤となる道徳性を育成しようとするもの
「挨拶の意義」など、身近なテーマを扱うこともあれば、「サイバーいじめ」など今後起こり得ることや、「両親の離婚」といった難しいテーマまでを扱うこともあります。それらについて自ら考え、それを他人に伝えること、当事者かもしれないクラスメイトの気持ちを思いやり、その痛みを癒やすこと、他人の意見を聞き共感すること、お互いを尊重すること、などを学んでいきます。
IVYによる道徳の授業の導入により、クルド自治区の対象校では、子ども同士の喧嘩が減った、異なる価値観を否定し対立するのではなく、話し合いお互いに尊重しようとする姿勢が生まれた、といった効果が観察されています。
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(上・左右)「挨拶の意義」がテーマ
(下・左右)「両親の離婚」がテーマ
10月から始まる新学年度には、クルド自治区内で全12校の小・中学校で、日本の教育手法が導入されることになります。
本事業では、児童の定期テストの平均点が、事業実施前と比較して10%上昇することを目標としていますので、研修を受講した教員が所属校で研修成果を確実に実施できるよう、IVYスタッフによるきめ細かいフォローアップも実施していく予定です。
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