シリアでは、紛争により多くの医療従事者が国外へ逃れたために、医療現場で適切な治療を行える医師や看護師の数が不足しています。COVID-19の感染拡大に伴い、診療拠点となっている病院に医療従事者が雇用されましたが、医師や病院職員のうち、約半数の方々は感染症予防やCOVID-19に対する最新知識をもちあわせておらず、研修を行う必要性があることが分かりました。 医師および職員が適切な治療、予防を行い、感染者の重症化、命を落とすリスクを減らすために、IVYは7月、3日間にわたって能力強化研修を行いました。

研修では、軽度の患者さんに対する対応方法、人工呼吸器など医療資材の管理方法、緩和ケアの方法、重症化した患者さんへの対応方法などについて学びました。

7月末から9月にかけて感染者数が30倍近くまで増加しましたが、医師や病院職員の皆さんは研修で学んだ知識を活かし、患者さんの容態や不安な気持ちに丁寧に寄り添い、治療にあたっています。 IVYは、医療施設における人材育成を通じて、感染した方々の命を守ると同時に、地域の国内避難民キャンプに暮らす避難民の方々への感染予防教育、衛生用品の配布などを行いながら、感染しないように働きかけることで、地域全体の人々が健康でいられるよう、支援を続けていきます。