IVYについて
はじめての方はまずこちらをご覧ください。
皆さんの周りには、外国ルーツの方がどれくらいいらっしゃいますか。何人かお顔が浮かぶかもしれません。
山形県の昨年6月時点の在留外国人は、8756人でした(法務省入管統計)。全人口の0.8%強(全国平均2.6%)と聞くと、多くないように思われるかもしれませんが、10年前の2013年に比べると約2500人も増えています。
上のグラフは、外国籍の方を「在留資格別」に見たものです。
「日本人の配偶者等」の資格では、6か月、1年、2年、5年等付与された期限ごとに書類を整え、更新手続きをしなければならず、とても大変です。
特定技能に切り替えられれば、さらに長期間働き、いずれは家族帯同の道も開けます。日本で働いて家計を助けたいと考えている若者が多いことを考えると、地域の人との交流を増やして、日本(山形)に良い印象をもって帰ってほしい、いえ、出来ることなら帰らず山形に残ってほしいですね。
山形は、全国に先駆けて行政主導の国際結婚に踏み出した経緯があり、IVYでも国際結婚で来られた方々と関わりながら地域づくりをしていくことを念頭に、日本語教室や日本語スピーチコンテスト、子ども中国語教室等様々な活動をしてきました。団体が発足した1991年当初は、東北で唯一の国際NGOだったのですが、今は県・市町村の国際交流センターや協会、他の民間団体と連携しながら、①多言語相談 ②通訳・翻訳サービス ③医療・法律分野の勉強会の3つを柱に活動しています。
山形に暮らす外国ルーツの方々の伴走者となるべく活動をしてきましたが、最近とみに増え、社会的にも注目されている技能実習や特定技能など、労働を目的に来日する方々とつながることができていないのが、課題です。彼らが、職場と宿舎の往復に明け暮れ、地域との交流活動に参加できていないことは、地域から見ると、その存在が可視化されず、住民の不安材料になってしまいます。一方、彼らにとってもせっかく夢を抱いて日本に来たのに、地域と関わる機会もなく、在留期限を消化するだけに終わってしまう今の状況は、双方にとってとても残念な状況です。
多文化共生は、ことばを変えれば多様性を包摂する地域づくり、相手に関心を持つだけでも実践です。たとえば、外国ルーツで近所に住んでいるAさん。Aさんに母語でのあいさつの仕方を教えてもらい、会ったときには毎回Aさんの母語であいさつをする。一言のあいさつでも、Aさんは気持ちが温まると思います。また、外国の方は日本の文化や習慣を教えてもらう機会は比較的多いのですが、日本人に彼らの文化や習慣を聞かれることは少ないという声をよく耳にします。話の流れの最後に、「あなたの国ではどうするの?」と聞くだけでもいいですし、町内会でイベントを企画するとき、多文化コーナーを設ける等一工夫すると、地域の方にも関心を持ってもらえそうです。
タイトルのことばは、英国在住の保育士でありライターでもあるブレイディみかこさんの小説『ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー』からの引用です。長いタイトルですが、お薦め!お近くの図書館に入っていることを祈りつつ・・・・
(IVY外国人支援部門 西上紀江子)