国際結婚による移住で
健康と生活の安全が損なわれないように
山形の嫁不足を背景に、結婚のためフィリピンから移住してきた女性たちの中には、環境の変化や家族との関係に悩み、精神的な疾患を負い帰国する方が少なからずいました。同じ地域に暮らす日本人として、彼女たちのためにできることをしていこうと、支援を開始しました。
国際結婚により移住した女性たちへの支援
精神疾患などの理由でフィリピンへ帰国せざるを得なかった女性たちへの精神医療支援とそのような状況を少しでも防ぐために出発前の情報提供を行いました。
支援の背景
家庭や地域社会で孤立するフィリピン人女性たち
1995年当時、結婚のために来日するフィリピン人女性は5千人前後でした。日本語が出来ないまま結婚するケースも多く、日本の生活や文化について何も知らない彼女たちは、日常生活で様々な困難を抱えていました。自治体の支援体制も整っておらず、就労もままならず、また家族との関係も構築できず孤立し、精神科を受診する女性が増えていました。
精神医療支援(1995年6月〜2000年3月)
精神的な疾患を負った女性たちを安全にフィリピンへ帰国させたものの、その後金銭的な理由から症状が悪化してしまうケースが多くみられました。そこで、彼女たちが回復し、新たな生活を自立して始められるように、薬の提供とカウンセリングを行いました。さらに、フィリピンで同様に苦しむ女性たちにも支援を実施しました。
出発前情報提供(1998年1月〜2001年11月)
国際結婚で来日する予定の女性たちが、まったく日本語を話せない、また生活や文化に関する日本の知識や情報を一切もち合わせないままに移住することを少しでも減らすため、簡単な日本語や日本の情報を提供する講座を実施しました。