【ウクライナ】負傷者の受け入れの多い南部4病院へも支援拡大

 


 

▪️ IVYは、負傷者の受け入れが増えている南部の病院も支援しています。

 
IVYは提携団体と協力し、当初は西部の9病院のみを支援する予定でしたが、激戦地に近い南部(ドニプロペトロウシク、ムィコラーイウ、オデーサ)の4病院にも支援先を広げることになりました。
 
ウクライナでは、すでに4,149人の市民が死亡し、4,945人が負傷しました(OCHA報告:6月1日)。激戦地である東部の死傷者の数は正確には把握されておらず、実際にはもっと多いと見られています。また、WHO報告(6月1日)では269の医療機関が軍事攻撃を受けており、その多くが、負傷者の多い東部・北部です。医療機関が崩壊すると、診察が出来なくなってしまい、負傷者は西部と南部の病院に移送されてきます。そのため、IVYは激戦地に近い南部の病院の支援も必要だと考え、支援する病院を南部にも拡大することを決定しました。
 
南部の病院は、負傷した方々の受け入れも多く大変な状況になっており、また軍事衝突が悪化・長期化した場合、南部の基幹病院へ必要な医薬品を支援することが、人々の生命の維持には必要不可欠となっています。
 

 

◾️ リヴィウ緊急病院へUSG超音波機器を搬入

 
先月から支援先の病院のアセスメント調査を実施しており、6月4日に、調査の終わった西部リヴィウ緊急病院へ不足しているUSG超音波診断装置を搬入しました。今後、同病院の産婦人科で活用される予定です。また、近く西部にあるイヴァーノ=フランキーウシク周産期病院へも機材(心拍計)を搬入することになっており、他の病院に対しても調査の終わり次第順次、医療機材を搬入していきます。
 

リヴィウ緊急病院に搬入されたUSG超音波診断装置と病院関係者、提携団体スタッフ

 

◾️最近の調査でわかってきたこと

 
負傷者が増えている病院のニーズとしては、負傷者の治療に使うVAC治療システム、精密検査のための内視鏡などが必要であることもわかってきました。
 
VAC(Vacuum Assisted Closure)治療システムは、創傷治癒を促進させる治療法で日本語では陰圧閉鎖療法といいます。

VAC治療システムの利点として、下記のようなことがあげられており、IVYの支援によりこの機材を導入することで、紛争で負傷した方がたの治療負担が大きく軽減されるようになります。

1 傷口が閉鎖するまでの時間が短くなり、治療・入院期間が短縮される。

2 例えば、足の切断の範囲が小さく済む、皮膚だけの移植や縫合といったより簡単な手術で済むことが可能となる。

3 全身状態が悪い患者さんにとっても、手術で治癒する可能性をもたらす。

 

また、国内避難民において高齢者の割合が高く、その方たちの持病が悪化しないこと、そして避難という過酷な状況の中で病気にならないための予防ヘルスケアが求められており、健康管理に役立つ血圧計・パルスオキシメーター(血液中の酸素飽和度をはかる)などの機器が必要であることがわかりました。その他にも、紛争の影響による不眠・不安の緩和の薬、胃腸薬、皮膚炎の薬も求められました。

 

高齢者だけでなく、避難民は戦火を逃れてきており心身の疲労が深刻ですので、社会福祉士・救急医療員によるPsychological First AidPFA:心理的応急処置)支援も行い、避難民のストレスを軽減していきます。
 
ウクライナでは、2022年3月から8月の間に約1,210万人が医療や保健の支援を必要とすると推定されています。IVYは、心理療法士・病院スタッフ・行政、提携団体と共に、これらの人々のために医療・保健支援を継続していきますので、今後とも応援よろしくお願いいたします。