イラク・ニナワ/プレハブ教室を建て、混雑を緩和!

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イラク北部の二ナワ県南東部、チグリス川西岸にあるモスル郡カイヤラ地区カイヤラ町は、2014年6月10日から2016年9月まで、過激派組織ISIL(IS)に占領されていた町です。そのため、町の人のほとんどが逃げ出すことができず、約2年3か月を囚われた極限状態の中で過ごしました。

 

この間、学校もあるにはありました。中にはISILが運営する学校もありました。しかし、ほとんどの保護者が子どもの安全を考え、行かせなかったので、授業に出ている子どもはISILの家族などに限られていました。

 

奪還作戦のときには、反対にイラク政府軍から激しい攻撃を受け、町役場など大きな建物や橋、道路等のインフラが破壊されました。

 

過密状態の教室 (1)

過密状態の教室 (2)

 

学校も、2割以上が壊され使えなくなりました。そして、町が解放された後は、残った、壊されなかった学校に児童が集中したため、1校1500人にもなり、教室を1日2回、午前と午後の2部制でまわしても、1教室に80人以上もの子どもたちがいて、ぎゅうぎゅう詰めで、後ろの方は椅子も足らず、外に立っている子もいる混雑ぶりでした。

 

ある調査によると、紛争下にあったニナワ県を含む5県の1,731人の子どもたちの読み書きや計算能力を調査したところ、14歳の48%、13歳の41%、12歳の33%、11歳の22%、10歳の10%が小学2年生以下でした。9歳で読んだり、算数の問題を解いたりできた子は5%、つまりできなかった子は95%もいて、8歳の45%がアラビア文字のテストで10文字のうち4文字しか読めないという結果でした。原因はいろいろありますが、主な原因の一つに、教室の過密状態、つまり1クラスの生徒の人数が多すぎることが挙げられています。

 

そこで、IVYでは1クラスあたりの人数を減らし勉強に集中できるよう、特に過密が激しい、2つの学校に対して、プレハブ教室を8教室を建設することにしました。一応、1クラスの基準は34人以下と言われていますが、今回は50人以下をめざしました。

 

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6月から8月の、50度を超える猛暑の中で工事が行われました。また、9月末から始まる新学期に向けて机も設置されました。

 

その後、別のもう1校の女子中学校も生徒数が多すぎるために教室が必要だと分かり、最終的に合計9教室を建設しました。

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プレハブ教室で勉強している子どもたちからは、

「今までは一つの机に3人、4人掛けだったから、ちゃんと座ることもできなかった。ノートを取るにも隣りの友達とヒジがぶつかって大変だったけど、これからはちゃんと座れて、教科書やノートを机の上にきちんと広げて、授業を受けることができるから嬉しい」

と好評です。

 

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2013年からイラク事業に携わっている現地スタッフのシーランは、
「私は高校の物理の先生でした。教育は人生の困難から子どもたちを守り、紛争下でも命を守ってくれることを信じています。だから私は教育に携わるのが大好きです。
カイヤラ地区の学校を訪れる度に、子どもたちの学習環境が日に日によくなっていることを感じます。でも、教室が不足し、支援を必要としている学校はまだまだあります。より良い未来、そして子どもたちのために学習環境をを整えていきたい、その思いを大切に働き続けたいと思います。」

 

がんばれ!イラクの子どもたち!!

IVYは2020年もニナワ県で教育支援を続けていく予定です。

※本事業は、ジャパン・プラットフォームによる資金や皆様のご寄付により実施しています。