教育支援

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2011年3月に起きた反政府デモから拡大したシリアの内戦

2014年1月からイラクまで急速に勢力を広げた武装勢力、イスラム国。

 

これらの紛争により、シリア国外に避難している難民の数は2019年5月現在でも560万人を越えており、イラクには今なお25万人のシリア難民が避難生活を続けています。

 

また、イラク国内でもピーク時には340万人を超える人々が避難していましたが、すべての都市や村が解放されて、2019年5月現在、帰還民の数が420万人に達しています。一方で、今なお160万人が避難生活を続けています。

長引く避難生活、かたや帰還してもまだ十分な生活インフラが整っていないため、苦しい生活が続いています。

 

*「難民」とは国境を越えて外国に避難する人々のこと、「国内避難民」とは国内で別の地域へ避難する人々のことをさし、使い分けられています。

 

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IVYが教育支援を始めたきっかけ


 

IVYは、2013年9月よりジャパン・プラットフォーム(JPF)の一員として、イラク共和国クルド自治区でこれらの方々へさまざまな支援を行ってきました。

 

その中で見えてきたのは、難民・国内避難民となった子どもたちが長期間、学校へ通えないまま放置されている状況でした。

 

たとえば、2014年1月当時、イラク北部のクルド自治区の中心都市エルビル県には、8万人のシリア難民が避難生活を送っていて、IVYは、その方々の家へ石油ストーブと灯油を届ける支援をしていました。

 

そこで、スタッフが目にしたのは、寒いので外遊びもできず、一日中テレビを見てすごしている子どもたちの姿でした。

 

シリア難民の子どもたちの話す言葉は、アラビア語。一方、地元の学校はクルド語で授業が行われていたため、難民の子どもたちが通える学校がなかったのです。

 

 

 

避難中でも、子どもたちには学校が必要


 

空気や食べ物だけでなく、子どもたちには「教育」が必要! 一日も早く!!

 

そんな思いで、 IVYは「シリア難民の子どもたちを学校へ」を合言葉に2014年から教育支援を開始しました。

 

最初のステップは、しばらく学校へ通っていなかった子どもたちが学力を取り戻せるよう、新学期からの授業についていけるよう、補習校を開校することでした。

 

教室は夏休みであいている郊外の女子高校の午後の空き教室を6月から8月までの3か月間、借りられました。先生も難民の方から雇いました。日本の皆さんからのご寄付でスクールバスの支援も行って、遠くに住んでいる子どもたちも通えるようにしました。

 

次に、補習校が終わっても継続的に勉強できるよう、クルド教育省にお願いし、この補習校を正規の小学校にしてもらいました。

 

この学校は、コバニ小学校と名づけられ、2014年9月に補習校と同じ学校の校舎を借りて開校され、800人が通いました。

 

1年目は小学校までしかなかったのですが、卒業を控えた6年生の子どもたちが教育省に要望した結果、2015年度から中学校も開校してもらうことができました。

 

2017年度からは、より広い学校に引っ越し、現在もクルド教育省により開校されています。

 

 

 

現在までの教育支援の歩み


 

 

コバニ小学校を始めとして、エルビル市の4地区、ニナワ県ハムダニア郡の1地区で、シリア難民、イラク国内避難民の子どもたちのための補習校開校、正規校への昇格支援、そのためのプレハブ校舎の建設等の支援を続けています。

 

 

 

シリア難民の子どもたちのための正規校開校支援実績 

1.エルビル市 コバニ小学校・中学校

2.エルビル市バンスラワ地区 ロンデック小学校

 

イラク国内避難民の子どもたちのための正規校開校支援実績 

1.エルビル市ガンジャン地区 ガンジャンシティ小学校・中学校・高校各1校

2.エルビル市トゥラック地区 シャヒード ハサン ダーウィシュ小学校

3.ニナワ県ハムダニア郡 タルジャラ小学校

 

2019年度は、ニナワ県モスル郡カイヤラ地区の2校へのプレハブ教室の増設を予定しています。