ミャンマー避難民支援

HPロヒンギャ  クトゥパロン難民キャンプの子どもたち

IVYは、2018年3月にバングラデシュのコックスバザール県で、ミャンマー避難民(ロヒンギャ難民)の調査を開始しました。

そして、2018年9月にバングラデシュ事務所を開設し、現地NGOのMukti(ムクティ)と協働して、「安全な水や衛生環境の整備」のためのプロジェクトに取りかかっています。

IVYとしては5か国目。バングラデシュでの新しい挑戦をぜひ応援してください。

 

 

 


 ミャンマー避難民に対する 水衛生環境改善事業

 バングラデシュ・コックスバザール県


 

活動期間 2018年9月10日―2019年9月9日(1年間)

 

活動地域 バングラデシュ共和国 コックスバザール県 ウキヤ郡 クトゥパロン難民キャンプ 及び キャンプに隣接するムサコラ村とテルコラ村

 

目的   1) キャンプ住民とホストコミュニティの住民の水とトイレへのアクセスを向上させ、住環境を整える。2)衛生関連サービスの提供により、水因性疾病の防止を促す。

背景・内容  この事業はバングラデシュのコックスバザール県で行われます。
活動その1では、クトゥパロン難民キャンプにおいて、深井戸掘削及び水衛生関連サービスを行います。
活動その2では、同キャンプ内に衛生(浄化槽付)トイレの建設及びトイレ関連サービスを行います。
活動その3では、キャンプに隣接しているパロンカリユニオンの2村に対し、新たに深井戸を掘削し、水衛生関連サービスを行います。

 

ミャンマーのラカイン州から約90万人が避難

 

(1)対象地における被災者の状況

7月15日現在、889,284人(204,788世帯)がミャンマーから避難し、バングラデシュ南東部のコックスバザール県の難民キャンプやホストコミュニティで避難生活を送っています。

しかし、半島部の小高い山々の森を伐採して造成したキャンプであるため、その斜面に建設されているシェルターは地滑り等、自然災害の危険に直面しています。

 

中でも「クトゥパロン難民キャンプ」(Kutupalong Expansion Site)は、63万人が暮らしている最大のキャンプですが、このような危険を察知して、モンスーンに入る前から、西側の森を伐採し拡張して、危険性の高い土地にシェルターのある住民を、これらの拡張エリアに移住させることが計画され、造成工事が行われています。

 

7月29日時点で地滑りのリスクがある22,726人を含む38,327人が新しいエリアへの移動している。8月中には5,151人が移動を予定している。

 

一方、92万人の難民を抱えているのが、33万人のホストコミュニティ(地元の村々)です。

 

特にクトゥパロン難民キャンプに隣接するコミュニティの影響は、環境、生活、経済等、多方面にわたっているため、地元行政からは、難民だけでなく、様々な被害を蒙っているホストコミュニティへの支援も行うよう強く要請されています。

 

週4,000人~8,000人もの下痢患者が出ている現状―安全な水、衛生的な環境が緊急の課題

<キャンプの水、トイレにおけるニーズついて>

井戸については、水衛生セクターの最低基準である「1人1日あたり10〜15リットルの水を利用できる」に対し、15リットルの水へアクセスできていない人の割合が32%に及んでいます。

 

また、難民キャンプ造設時に掘られた浅井戸を利用しているため、乾季になると水が枯渇してしまい、十分に水が出ない状態である。同地では720フィート(約200メートル)まで深く掘れば、地下の豊富な湧水層にぶつかり、水源が確保できる状態にあるので、年間を通じて水にアクセスできるようにするには、深い井戸の建設が望まれています。

 

トイレについては、水衛生セクターのコーディネーターの話によると「トイレ1つにつき50人利用という基準で2017年9月~2018年2月まで第一段階は進めてきたが、今後はスフィア・スタンダード(国際基準)に沿って、トイレ1つにつき20人利用という基準で建設を進めたい」との方針です。

 

しかし、クトゥパロン難民キャンプ22地区の水アクセス、衛生状況を比較したところ、「安全で機能しているトイレ一基あたりの使用人数」で20人を下回っているキャンプは3地区に留まっており、今尚8割が21人以上で一基のトイレを使用していることが分かりましgた。

 

現地では6月より本格的なモンスーンに入り、7月最終週には853ミリの大雨を記録しました。そのため、7月17日~7月30日までの2週間で433基のトイレが閉鎖され、閉鎖されたトイレの累計は7,353基に上っています。また、同じくこの2週間で、地滑りや洪水のリスクが高い場所にあるトイレの浄化槽を空にする取り組みも行われており、累計で7,559基に上っています。

 

拡張エリアへの転居の他、閉鎖されたり使用できない井戸やトイレの数も増加しているため、新たな井戸、トイレのニーズは以前にも増して高まっていると言えます。

 

一方で、生活環境が劣悪なだけでなく、衛生知識が少ない、適切な衛生行動がとれていない等の背景から、7月24日から30日の1週間で3,336件の急性水因性下痢が報告されています。

 

WASHクラスターでは以前から衛生キットの配布を行っているが、まだ25%が受け取ることができていない。クラスターでは引き続き、下痢や感染症を防止するため難民の衛生環境改善が求められており、衛生キットの配布及び使用と手洗いなどの予防活動の啓発活動を推奨しており、現在、国際移住機関(Intenational Organization for Migration、以下IOM)が中心となり衛生キット配布のためのルートづくりが進められている。

 

<キャンプに隣接する村々も、井戸が枯れる村が続出>

 

ウキヤ郡庁舎によると、ホストコミュニティの中でもクトゥパロン難民キャンプの南側に位置するパロンカリユニオンも、避難民による影響を受けているコミュニティの一つです。ここでは避難民による大量の地下水汲み取りに起因した地下水位の低下によって、元々地元民が使ってきた井戸の中で既に水が枯れてしまったものも出てきています。

 

その中でも最も井戸の枯渇が深刻な村はムサコラ村とテルコラ村の2村。実際に2村における井戸の枯渇状況を確認したところ、難民流入後、ムサコラ村では30〜40%、テルコラ村では60〜70%の井戸が枯渇している。また、WASHクラスターのパートナー団体による衛生キットの配布も進んでおらず、約1.6%にあたる1,050世帯にしか行き届いていない。

 

事業の内容

1.難民キャンプにおける深井戸掘削及び水衛生関連サービスの提供

クトゥパロン難民キャンプにおいて、深井戸掘削、メンテナンス及び包括的な水衛生関連サービス(衛生トレーニング、衛生キットの配布等)の提供を行うことで、キャンプ住民が水にアクセスできるように図ると共に、衛生意識を向上させ、水因性疾病を防げるよう促す。

裨益者:避難民10,000人(20基×500人:女性5,000人、男性5,000人)

 
 

2.難民キャンプにおける衛生トイレ建設及びトイレ関連サービスの提供

クトゥパロン難民キャンプにおいて衛生(浄化槽付)トイレの設置、メンテナンス及びトイレ利用に関するトレーニングの提供を行い、キャンプ住民が衛生的なトイレにアクセスでき、衛生意識を向上させ、水因性疾病、排泄物による感染症を防げるよう促す。

裨益者:避難民3,600人(90基×20人:女性1,800人、男性1,800人)

 

3.ホストコミュニティにおける深井戸掘削及び水衛生関連サービスの提供

パロンカリユニオンの2村において新たに深井戸20基の掘削、メンテナンス及び包括的な水衛生関連サービス(衛生トレーニング、衛生キットの配布等)の提供を行うことで、水支援を行うと共に、衛生意識を向上させ、水因性疾病を防げるよう促す。

裨益者:ホスト2,500人(20基×125人:女性1,250人、男性1,250人)